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2つのコンサートを終えて

  • yamamotoasuka38
  • 2016年2月18日
  • 読了時間: 3分

地元群馬でのホームコンサートと兵庫のデイケアでのコンサートが、先日終わりました。

いつもコンサートを開く時は、ちょこっと曲の解説などを喋るのですが、

それを「面白かった」と言っていただくことが多いので、今回は思い切って

喋りつつ演奏するというスタイルでやってみようと思い、チャレンジしてみた2回の公演でした。

「ショパンの生涯とノクターン」という題で、ざっとショパンの人生を追いながら、

20歳、25歳、31歳、36歳、それぞれのショパンが作曲したノクターンを紹介しました。

有り難いことに、「話がとてもわかりやすかった」とか「ショパンの人生が垣間見えた気がした」、

「曲の理解がより深まって楽しめた」など、嬉しい感想をたくさんいただきました。

(「音が綺麗だった」という素敵な感想もありました♡)

人前での演奏はとても苦手でいつも「やりたくないな」と思っている私ですが(^^;)、今回の内容は

私にとっても得るところ多く、機会があればまたやらせていただきたいなと思うくらい、楽しかったです。

さらに、「違う場所でも是非やってほしい」という声もちらほらいただいており、そう言って

いただけるのは嬉しく有難く、そこに乗っかっていきたいなと思う気持ちもありますが、

同時に、少し躊躇するところも、あります。

というのは、私は自分では自分のことを”ピアニスト”ではないなと思っていて、未だにどういう肩書で

活動をしていったらいいのか探しあぐねていますが、そんな私が"ピアニスト”として活躍されている

方々と、間違って同じ土俵に立ってしまうことがあると大変だと、慎重になっているからです。

話は飛びますが、昔、習っていた先生から、「あなたは曲が仕上がればわりと良いんだけど、ピアノ曲

は一生かかっても弾ききれない程たくさんあるから、もっと曲を見るスピードを上げないと」という

ようなことを言われたことがあります。

そうでないと、コンサートでは毎回たくさんの曲を見ないといけないのにそれに追いつかない、

もっと言うと"ピアニスト”として仕事をしていくのは難しいという話だったと理解しています。

私が今"ピアニスト"という名前で活躍されている方に抱いているイメージも、そこが強いです。

もちろん、音色が綺麗だとか、解釈が素晴らしいとかいうのもありますが、それ以前の基本的なこと

として、曲を早く仕上げられるかどうか、大量の曲を見られるかどうかということは、演奏家にとって

かなり重要なことだと思っています。

そして、私は完全にそれを放棄しました。もちろん、効率的に練習して、できるだけ早く仕上げられる

よう努力した時期もありましたが、今は、縁のある曲を、時間をかけてしっかり弾こう、そして人に

聴いてもらう時は、そうやって準備した曲を聴いてもらいたい、とそんな風に考えています。

そう書くと良いようにも聞こえますが、例えばピアノを弾く人にとって基本であるバッハの平均律や

ショパンのエチュード、ベートーヴェンのソナタなど、全部見ているのか?と言われれば口をつぐむ

しかありません。そんなこともできないようでは甘すぎる、と言われればぐうの音も出ません。

現在"ピアニスト"と名乗って活動している方は、そんな問いに「はい」と言える方たちであって、それを

放棄した私はやはり"ピアニスト"ではないと思っています。しかし、こんな私でも演奏してほしいという

声をいただくことがあり、ご縁があって出来ていくコンサートはとても楽しく、これを一体どんな風に

自分の中で落ち着けたらいいのかわからないまま(演奏を重ねるうちにわかってきたらいいなと思いつつ)

周りで見てくれている人の声を頼りにゆっくりと進んでいるこの頃です。

山本 明日香


 
 
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