東京に、さとしと言う、即興のピアノを弾く友達がいます。 話に聞くと、なにもない日はひとりで3時間とか即興を弾き続けている こともあるようで、即興が苦手な私は「いいなー」と羨ましく思います。
私はクラシックをずっとやってきたので、楽譜無しで弾くという経験を ほとんどしてきませんでした。ピアノを習う人は、幼い頃から、楽譜に 書いてある通りに弾くことを要求されます。
ピアノを教える立場に立った時に、音が出るのが楽しくてむちゃくちゃに ピアノを弾きまくる子どもの楽しそうな顔と、先生に言われて楽譜に書いて ある音符をひとつひとつ読んで音にしている時の難しい顔が頭に浮かびます。
過去の素晴らしい作品を演奏するのは、意義があることだと思っていますが、 ともすると権威と博識のひけらかし止まりになってしまうきらいもあると思います。 即興は、そういうことがない。今ここの音をダイレクトに伝えている。演奏の好き、 嫌いはあるかも知れませんが、今ここで起こったことに良い、悪いはない。 その分逃げも隠れもできない、その身ひとつで立っている。そんな感じがします。
4月20日はおそらく、私の弾くクラシックと、さとしの弾く即興が、同じ部屋に響きます。 始まる前から、こんなに色々考えるイベントは初めてじゃないだろうか。 きっと、弾きながら、場に居ながらも、色々考えるだろうと思います。 そんなのを話したり、聞いたりすることが、今からとても楽しみです。
ちなみに、モーツァルトやベートーベンが生きていた時代は作曲家=演奏家 =即興の名手であり、それが分業されてきたのはここ200年くらいのこと。 「ピアノを弾く」ということを通して、音と人の関わりや、音と場の繋がり みたいなことに、考えを及ばせることが出来たらいいなぁとか、思っています。
************************************ 「さとしとあすかのなんかピアノとかやる」
日 時:4月20日(木)18時〜21時くらい
場 所:SAKURAGAWA PIANO ROOM
(大阪市浪速区桜川2-2-25 難波スカイハイツ403)
内 容:18時〜20時 音を出せる時間 20時〜 話したり聞いたり黙ったり
参加費:3000円
定 員:8名
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