いきなりですが、レッスンをしていくにあたり、
定期的に教材(テキスト)と併用ドリルの見直しをしています。
以前にピアノ教則本の比較検討をした回がありましたが、今回はドリルについてです。
そもそも私は幼い頃のレッスンではドリルやワークという類のものをやったことがありませんでした。(聴音は小学生からしていましたが、書く問題集を始めたのは高校から、いきなり白い楽典から入りました。)
おそらく、コンクールに向けてバシバシやっていくような先生のレッスンでは、ドリルなどの問題集は使われないことも多いと思います。楽典的なことをレッスンでしっかりやっていてわかっているなら、絶対に必要なものではありません。
ただし、自分の経験から言うならば、やっておいて損はない、と思います。
レッスンで言われてその時は覚えたとしても、人間、忘れます。笑
何度も繰り返して定着させるために、またよく弾ける子でも意外なところがわかっていなかったり苦手だったりすることがあるので、その辺のカバーの為にも、やっておいて損はないと思うのです。(むしろ子どもの頃の自分にやらせたかった…喜んでやったと思う…)
ということで、現在教室で使っている吟味に吟味を重ねたドリル(笑)、5選、公開です。
①新版おんがくドリル
奈良の教室で使っていたドリルです。バイト時代、これを使って下さいと指定されて使用していました。収録されているリズム課題がとても使いやすく、それだけ取り出してレッスン時に課題にしたりしています。楽譜の理解を促すベーシックでとても使いやすい問題集です。しつこいくらい音符を書く課題が出てくるので、楽譜に慣れるにはもってこいのドリルです。
難点といえば、3歳の子が使うには若干音符が小さいこと。
また5・6辺りの内容になってくると、うーん、実際演奏にはそこまで必要のない(知識として知っていれば良い)楽典内容に結構多くのページ数が割かれていたりするため、生徒の年齢と習熟度を見て飛ばしても良いかなと思ったり、他のドリルに切り替えたりしても良いかなと思ったりします…。
ただ小さい頃のドリル、何をして良いかわからない時は、とりあえずこれ、で間違いないと思います!
②うさぎさんワーク
3歳の子が使いやすくて、楽しくできるものはないだろうか、と探して行き着いたのが、このうさぎさんワークです。
導入課題の、丸が大きい!音符も大きい!3歳でも書きやすい!しかもなぞなぞつき!笑。
塗り絵感覚で導入し、いつの間にか音符を書いている、という感じで、小さい子でも無理なく取り組めます。
ただ先出のおんがくドリルに比べてちょっと進みが早いので、高い音符に入る時に抵抗がある子もちらほら。(その場合はプリントを併用したり、一旦他のワークを経由したりします)
1〜3まであり、内容もリズム打ちから音符迷路、色塗り課題などバラエティに富んでいて、楽しみながら学べる工夫が詰まっています。3歳〜5歳くらいでピアノを始める子の最初のワークとしてオススメです。
③わんぱくワークブック
うさぎさんワークで進みが早すぎる、もう少し復習したいという子には、こちらを使っています。
1〜5まである、わんぱくワークブック。
比較的ゆっくり進み、音符の読み書きをしっかり習得できます。
また、ちょうおんゲームがついているのも嬉しいポイントです。(うさぎさんにはありません)
イラストも可愛くてわかりやすい。生徒を見ながら、うさぎさんワークやジュニアワークブックで
足りない部分をこちらで補うように使っています。
④ジュニアワークブック
うさぎさんワーク3まで終わった後、その続きとして、私は基本こちらを使用しています。
ジュニアワークブック。1〜3まであります。
バイエル後半対応ということで、1の初めから広範囲での音符の書き課題があります。
こちらもリスニング・ゲーム付き。片手のみの、短い初見課題みたいなものも収録されています。
楽譜の移調や1オクターブ下(または上)への書き換えなどもあり。進度は早めで、色々な調性が出てきたあたりから急に難しくなる印象です。リスニングもどんどん難しくなります。
調性に関しては、ドリルもあるといいですが、それよりも実践で身につける課題が必要だと感じます。
スケール、アルペジオを基本として、簡単な曲をパッと移調して弾くなど…
その辺りの副教材は、また次回以降時間のある時にまとめて書きたいと思います!
⑤ジュニアクラスの楽典問題集
これは最近知ったドリルで、ジュニアワークブックの後に復習的にやっても良いのではと思ったものです。小学校高学年〜中学生くらいが対象でしょうか。
テキストも兼ねているので、楽典の導入として1冊持っていても良いんじゃないかと思いました。
調性の説明があるのが嬉しいです。ただドリル部分は一つの単元につき1・2ページしかないので、定着にはこれ一冊では難しそう。これを基本で持っておいて、問題集などで苦手な単元を補強するととても良いのではと思っています。
これを経た後ならば、受験用の白い楽典でも黄色い楽典でも、すんなり入っていけそうです。
この他にも沢山のドリルやワークがあります。もっと見た目が可愛いものもありますし、特定のテキストと並走した内容になっているもの、視唱がついたものや、本当に色々なタイプのものがあります。
ただドリルの一番の目的としては、生徒が楽しみながら取り組める、というのが一番かなと私は思います。
ドリルが学校の宿題みたいに、やらなくてはいけないノルマみたいになってしまったらつまらない。
願わくは、楽しくやってる間に、いつの間にか色々身についちゃった、みたいなことになってくれたら一番良いなと思うのです。
一緒に遊んで、楽しんで、力がつく。
ピアノ学習者ひとりひとりが、是非そんな自分にぴったりのドリルに出会って、楽しく学んでいってくれたらと願っています。
山本明日香