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子どものための素敵な小曲 No.1〜No.5


先日、5月20日に、

恒例となりつつある比良ログハウスでの春のコンサートを終えました。

今回は小さい子が多く聴きに来てくれるということで、

ソロはモーツァルトのきらきら星変奏曲を演奏しました。

1歳や3歳、小学校の子が5、6名来ており、

演奏が終わった後もくっついて来てくれ、一緒にピアノを弾いたり、

お話したりして、とても楽しかったです!!小さい子、大好きです!可愛い!!

そんな小さい子でも弾けて、素敵な曲というのは意外とたくさんあって、

しかも結構魅力的だったりします。

ここでは、そんな簡単で短くて小さいけれど、ぎゅっと世界が詰まった子どものための小曲を、

ちょっとずつ紹介してみようと思います。自分の勉強も兼ねて、しばらく続けてみるつもりです。

小さい子の発表会用や、ピアノ初心者の方の選曲の参考にしていただけたら幸いです。

よければ、どうぞご覧ください^^

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ひとつめは、「星降る町の小さな風景」より、そよ吹く風。

作曲は、轟千尋さん。

右手も左手もほとんど単音で同じリズムを繰り返しますが、響きの移ろいがすごく素敵で、

1分ちょっとの時間でぐっと思い出の場所、どこか懐かしい風景に連れて行かれる感じがします。

技術的には幼稚園くらいの子でも弾けるかも知れませんが、

内容的にはちょっと大人にならないとわからないかな?どうかな?

よければご一聴ください(*´꒳`*)

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ふたつめは、クラック作曲の魔女の踊り。

踊り、ですが魔女なので、明るく楽しい踊りではなく、暗く妖しい雰囲気です。

楽譜を見ると、いたるところに ∧(アクセント)が用いられていて、

それがうまく不気味さを醸し出しています。

暗くて怖いせいか、今のところ生徒には不人気ですが、私は好きです。

すごくよく出来てる。なんと言うのかな、構成美?構造美?

あと、昔習っていた先生方は、こういうテンポがかっちりした早めの曲をひく時に、

「パリッと弾く」と言っていました。まさにこの曲はパリッと弾けるとかっこいい一曲だなぁと思います。

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みっつめは、チャイコフスキー作曲のワルツ。 白鳥の湖やくるみ割り人形などで有名なロマン派の作曲家チャイコフスキーが、

こどものために書いた曲集の中の一曲です。とても趣味の良いワルツ。

A-B-Aの三部形式になっており、軽やかさと華やかさを持つAの部分と、

厳しい雰囲気のBの部分が対比的で、短いながらもなかなかドラマチックな展開になっています。

楽譜に書かれた細かいスラーやスタッカートの指示を見ていると、「ここはもっとおどけた感じで」

「ここはもっと大胆に!」などと言っているチャイコフスキーの姿が浮かんできます(笑

派手さはあまり無いかもしれないけど、生徒には是非弾いてほしい曲です(* ´ ω`*)

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よっつめは、ギロック作曲の手品師。 ギロックは、1917年に生まれた、アメリカの音楽教育者(ピアノ教師)であり、作曲家です。

私はピアノの先生をやり始めてからギロックに出逢いましたが、同じ教育者として、

本当に良い先生だったんだろうなぁと思います。子どものために書いた作品の、素敵な曲の多いこと!!

たくさんたくさん、紹介したい曲があって、今回は手品師ですが、これから頻出してくる予定です。

ギロックさん。

さて、曲の紹介ですが、「手品師」というタイトルは、原題は The Juggler となっています。

手品というより、大道芸のイメージ。お手玉とか、バルーンアートとか。

曲の出だしは軽快な左手が、これから起こる楽しげなことを予感させます。

右手のメロディーは、上に上がっていく16分音符が期待感をさらに高めていき、

3度目の(今度は下降の)16分音符が解決したところで何か見世物がひとつ完成する感じです。

もう、どうしてこんなにうまく特徴を捉えて曲に出来るのか。感嘆ものです。

また、結構聴き映えしますが、難易度は意外と高くないです。私の生徒では、年長さんの女の子が、

発表会で披露しています。

とにかくワクワク、楽しい曲です。どうぞお聴き下さい。

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いつつめは、シューマン作曲のメロディー。 こどものためのアルバムの中の、第一曲です。

小さな曲ですが、右手のメロディーに寄り添うように動く左手が繊細な響きを作り出しており、

とても美しいです。シューマンらしい、内向的というか、自分の胸の中で"本当に"感じていることに

触れるような、そんな音楽に聴こえます。

シューマンは1810年にドイツに生まれたロマン派の作曲家です。

文学への造詣も深く、作曲の他に音楽評論の活動も行っていました。

実はショパンも1810年生まれですが、ショパンの音楽は皆に語りかけるような社交的な面があるのに対し、

シューマンの音楽はわたしひとりにそっと語りかけているような、とても個人的な感じがします。

シューマン、すごく好きで、自分のために何か弾きたいなと思った時は大抵シューマンを引っ張りだして

弾くのですが、いかんせん、文字にすると説明が難しいです。喋りだったらもうちょっと、語感で伝わる

ところもあると思うのですが…

演奏できる方は是非演奏してみてほしいです。

シューマンが語りかけてくる、とても魅力的な、内面の色々な景色を、

是非味わっていただけたらと思います。

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今回はここまで。

次回はメンデルスゾーンやシューベルト、ベートーベンも出てくる予定です!

お楽しみに!

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