生徒がコンクールに出るということで、しばらくソナチネを色々漁っていました。
捻くれた性格のせいか、クーラウやクレメンティなど、ど定番のソナチネはスルーし、
ベートーヴェンやドゥシェク、カバレフスキーから、ソナチネばかり5曲ピックアップ
しています。
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No.66は、ベートーヴェンのソナチネ第5番 第1楽章。
小さい曲ですが音楽は充実していて、なんとも幸せな気分になる一曲です。
速すぎず、音の間合いというか、音と音の距離とか、そこに生まれる空間を 大事にして弾くと雰囲気が出ます。そういうのを是非この曲で掴み取ってほしいです。
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No.67は、ベートーヴェンのソナチネ第5番 第2楽章。
「ロマンス」と書かれた第2楽章は、第1楽章より少し楽譜が言っていることの
難易度が上がります。最初2小節の朗らかなメロディーが、次の2小節では少し
恥ずかしいというか、躊躇いのような色を帯びるのですが、ここが感じるのも
表現するのもちょっと難しい。(私もできているとは言い難い…^^;)
少しテンポを落として、1音1音味わって弾くと曲の世界を理解しやすいと思います。
「ロマンス」という指示を味わって、恋の気分を思い描きながら弾くのも良いかも。
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No.68は、ドゥシェクのソナチネop.20-1 第1楽章。
晴れやかな青空のように曇りのない一曲です。なんとまぁ、爽やかなこと。
ト長調は個人的に青色だと思っているのですが、本当にこの曲はト長調らしい
スコーンと突き抜けた明るさを持つ曲だなと思います。
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No.69は、カバレフスキーのソナチネop.13-1 第3楽章。
カバレフスキー、音が機械的な感じがしてあまり好きではなかったのですが、 このソナチネは気に入ってしまいました!生徒に弾かせたい…(笑)
古典派やロマン派に慣れた耳だと、ちょっと不思議な音に聞こえると思います。
難しそうに聞こえますが、弾いてみると意外と易しく面白い。同じ音形の繰り返し
だったり、和音も同じ形がズレていくだけだったり、なんというか、聞く楽しさより
弾く楽しさが勝る曲です。純粋な運動の楽しさ。
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No.70も、カバレフスキーのソナチネop.13-1 今度は第1楽章。
第3楽章より少しメロディックです。第二主題(レガートになるところ)が入って
第一主題(初めのはっきりしたところ)との対比がなかなか楽しいなと思います。
華やかで、魅せるところもたくさんあり、コンクール向きの一曲です。