今回は前半3曲が「こどもの」と名のつくアルバムから紹介しています。
グルリットとシューマンとチャイコフスキー。
意外と子どものために作曲された曲はたくさんあり、(私が知らなかっただけ…?)
教えるようになってから素敵な小品にたくさん出会いました。
それでもまだまだ知らない素敵な曲がたくさんあるんだろうな。
このブログが皆様と曲との新たな出会いに繋がりますように。
それではどうぞ、お聴き下さい^^
---------------------------------------
No.56は、グルリットの子どものためのアルバムより「踊りのおけいこ」です。
優雅で品のあるウィンナーワルツを小さく簡単にした感じで、
私はよくレッスンで使っています。
この「踊りのおけいこ」が弾けたら、前に紹介したチャイコフスキーのワルツや
ギロックのウィンナーワルツでもう少しワルツに親しんで、ゆくゆくは
こうしてワルツだけ並べて聴いてみるのもなかなか面白いです^^
---------------------------------------
No.57は、シューマンのこどものためのアルバムより「勇敢な騎手」です。
原題はドイツ語で「Wilder Reiter」ですが、日本語の題だと
「騎手」が「騎士」になっていたり、「勇敢な」の他に「乱暴な」と
訳されていたり、版によってまちまちです。
ちなみにもともとの題名は「揺り木馬の騎士」だったそうです。
当時出版された楽譜の扉絵に、シューマンこだわりの挿絵があり、
そこに子供が揺り木馬に乗っている図が描かれていたとか。
シューマンの曲は、どれだけ短くて小さい曲でも、シューマンだなぁ
という感じがします。自分の喋り方というのがすごくしっかりある。
シューマンを理解するには小さい頃から少しずつシューマンに触れて、
大きくなったらクライスレリアーナとか、ファンタジーとか、
そういうものに繋がっていったらいいなと思います。
---------------------------------------
No.58は、チャイコフスキーの子供のアルバムより「新しいお人形」です。
この曲の伴奏の形はちょっと面白いです。 私だったら1拍目を休みにして2・3拍目でチャッチャッと和音を入れる
かも知れませんが、チャイコフスキーは1・2拍目に入れて3拍目を休みにしています。
3拍目が重たくならず、先へ先へと推進していけるようにそうしたのでしょうか。
拍子は8分の3拍子。エリーゼのためにと同じ拍子です。
音数少ないですが、左手の和音の変化が素敵だなぁと思います。
---------------------------------------
No.59は、平吉毅州さん作曲の「真夜中の火祭り」です。
独特のリズムが耳に残る曲で、一度聞いたらなかなか頭を離れてくれない、
癖になる曲です。コンクールなどでよく使われる人気の曲で、小学校低学年の子でも
弾いているのを目にします。
私も生徒に紹介するためにちょっと練習しましたが、ポイントさえ押さえれば
キレイに聞こえてくれる曲みたいで(言ってしまえば"正解”の弾き方がある)、
なるほどコンクール向きの曲だなと思いました。
速さに気を取られがちですが、ただ速いだけにならず、
祭りの踊りのようなイメージを持って、リズムの面白さを感じられる速さで
弾けると良いようです。
---------------------------------------
No.60は、ブルクミュラー18の練習曲より「嵐」です。
オクターブや16分音符の練習曲ですが、
なかなか弾くのが楽しいので録音してみました。
テンポの指示は速いですが、音形が弾きやすく、スピードを出すのが楽しい曲です。
やればもっともっと上げられそう。
嵐が来そうな空模様から、途中は雷かな?という爆発もあって、
最後は嵐の後の穏やかな晴れ間まで見える、情景豊かな一曲です。