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子どものための素敵な小曲 No.6〜No.10


先日、SAKURAGAWA PIANO ROOM主催の発表会が終わりました。

小学校のお友達が4名、大人の方が2名、ジャンベを叩いてくれるゲストの方にも

来ていただき、だいたい1時間くらいの、アットホームな発表会になりました。

(私も演奏しました^^)

講師演奏は何を弾こうか迷いましたが、生徒に生演奏を聞いてもらういい機会なので、

「弾きたい!」と目標にしてもらえるような曲がいいなと思い、「エリーゼのために」と

「ワルツエチュード」を演奏しました。どうだったかな。届いているといいな。

そんなことで、今回は少し、前回のNo.1〜No.5までの曲と比べると、

易しい曲の中でも、だいぶレベルが上の曲になっています。

小学校中学年から高学年向き、でしょうか。よければお聴き下さい☆

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No.6は、メンデルスゾーンの「無言歌集」より、ベニスのゴンドラの歌。

少し大人になって、手が1オクターブ届くようになったり、ペダルを踏めるように

なってから取りかかりたい曲です。

メンデルスゾーンの「無言歌集」は、「言」葉の「無」い「歌」という字の通り、

どれも歌のように情感のこもった曲ばかりです。一番有名なのは、op.62-6の「春の歌」かな。

無言歌集の中の曲は、一曲一曲それぞれに景色があってとても魅力的です。

この曲は8分の6拍子。波に揺られるヴェネチアのゴンドラと重ねて歌われる心に

思いを馳せながら聴いていただけたら嬉しいです。

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No.7は、シューベルトの楽興の時より、第3番。 ヘ短調の一番有名なものです。

私自身は、曲をみるのが遅いこともあって、学生時代はシューベルトをあまり弾きませんでした。

即興曲とソナタを少ししか勉強していないんじゃないか。

シューベルトにちゃんと興味を持ち始めたのは、大学時代。

井上直幸さんがシューベルトのことを語るのを聞いてから、

もっと弾いてみたいと思うようになりました。

(それで、卒演はシューベルトの最後のソナタD960を弾きました。)

井上さん曰く、シューベルトの曲には風が吹いているような、テンポの揺れがあるそうです。

それがないと、誰の曲?という感じで、国籍不明になってしまう。鳥が鳴いていたり、

空が曇ってきたり、また晴れたり、そういう自然をシューベルトの音楽からはたくさん

感じることができます。

私もまだまだ勉強中です。時間をとって勉強して、そのうちシューベルトの即興曲を

4曲続けて演奏できたら良いなと思っています。

この「楽興の時 第3番」は、生徒から弾きたいというリクエストをもらったので、

一緒にやってみているところ。いつまでも勉強の機会をいただけるのは有り難いことです。

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No.8は、ベートーヴェンのエリーゼのために。

有名すぎて特に紹介する必要もない気がしますが、雑学を少しだけ。

この曲はベートーヴェンが1810年(39歳)に作曲したものです。

題名は「エリーゼのために」となっていますが、この「エリーゼ」が誰なのかというのは

諸説あるようで、一番有力なのはテレーゼ・マルファッティだとする説です。

ベートーヴェンはかなりの悪筆だったため、楽譜を読んだ人がテレーゼ(Therese)をエリーゼ(Elise)

と読み間違えた可能性があること、またこの楽譜はテレーゼ・マルファッティの書類から発見されており、テレーゼはベートーヴェンがかつて愛した女性だったことなどが理由となっています。

「エリーゼ」の正体がテレーゼだったとすると、物悲しく始まるこの曲の雰囲気にも、

頷けるものがあります。テレーゼに惚れ、足繁く彼女の家に通い、求婚まで申し出た

ベートーヴェンですが、残念ながら願い叶わず、求婚後すぐにテレーゼは別の男性と

結婚してしまいます。

その時のベートーヴェンの心境がこの曲になった、というと言い過ぎな気がしますが、

(背景はあくまでも曲が生まれるきっかけであって、それと音楽が一致するとは限らないので、)

それでもこういうことを知ると、また新たな視点から曲を捉えられる気がします。

違った聞き方ができるというか。理解が広がる感じというか。

よく知られている曲ですが、是非また、新しい耳で聞いていただけたらと思います。

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No.9はドビュッシーの小さな黒人です。 おそらく、ドビュッシーが生涯作曲した中で、一番簡単な曲になります。

この曲は、当時フランスで流行した黒人のダンス(ケークウォーク)をモチーフに作られた曲です。

同じ、ケークウォークをモチーフにした曲に、「ゴリウォーグのケークウォーク」という曲もあります。

どちらも陽気でコミカルな曲です。

私が小さな黒人を弾いたのは、小学校4年か5年くらいのときだったと思います。

弾いていて恥ずかしくて、いつもちょっと体が熱くなりながら弾いていた記憶があります。

決して嫌いじゃなかったのですが、ピンク色の服を着てるときのような感じで、好きな色なんだけど

気恥ずかしくていつもより人目を意識してしまう…みたいな感じだったかな。

今は弾いても全くそんな感覚は無く、あー、ヒョウ柄も平気で着られる大阪のおばちゃんに

なってしまったかナーなんて思ったりしています。余談ですが(笑

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No.10はギロックのワルツエチュードです。

ショパンの子犬のワルツを彷彿とさせる出だし、華やかで伸びやかなメロディーライン、

モダンなコード進行。どこをとっても素敵な曲です。

小学校高学年くらいになったら弾けるかな。どうかな。

ピアノ学習者には是非目標にしてもらいたい曲です。

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今回はここまで。

次回は、あまりに紹介したいギロック作品が多いので、ギロック特集をしたいと思います。

お楽しみに!

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