去年の5月頃から始めたこのシリーズ。
ほとんど自分の勉強のために始めましたが、youtubeを見てみると
以前載せたギロックの作品が割と多く再生されており、それならと
ギロック特集第二弾をしてみることにしました。
今回も素敵な曲が盛りだくさんです。作曲は全てギロック。
難易度はちょっと高めかな?どうぞお聴きください☆
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No.31は、「秋のスケッチ」です。
この曲はあまり説明はいらないかも知れません。
少し物悲しい秋の雰囲気がとても見事に描き出されています。
アウフタクト(弱拍・この曲の場合は3拍目)でたっぷり始まる右手、
それに続く、はらはらと落ち葉が落ちるような音形の左手。
技術的には子どもでも弾けますが、こういう叙情的な曲は、
人生経験豊富な大人の方が素敵に弾けるような気がします。
綺麗な曲ですが、弾いてみるとそこまで難しくないので、
子どもの頃にピアノを断念してしまった方や、大人になってピアノを始められた方にもオススメです。
もし気に入れば是非チャレンジしてほしい一曲です。
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No.32は、雨の日の噴水。
この題名、すごくいいなと思います。 噴水の水と降ってくる雨が、陽の光の中でキラキラ混ざっている。
本当に曲にぴったりの、素敵なイメージがぱっと頭に思い浮かびます。
噴水と言えば、リストの「エステ荘の噴水」。あとはラヴェルの「水の戯れ」も有名です。
キラキラした水の表現は、この「雨の日の噴水」も少し似ているところがあります。
きっとギロックはこの名曲たちを意識して作曲したのでしょう。
難しく聞こえるかも知れませんが、丁寧に練習しさえすれば
「エリーゼのために」より簡単と言われています。 発表会やコンクールでも、よく使われる一曲です。
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No.33は、「カプリッチエット」です。
カプリッチョ(capriccio)というのはイタリア語で「気まぐれ」を意味します。
特定の音楽技法や形式に縛られない、例外的で気まぐれな性格の曲を「カプリッチョ」と言いますが、
この曲はそれの小さいもの、ということで「カプリッチェット」。
短い曲ですが、気まぐれさはふんだんに詰まっていると思います(笑)
最初の少しおどけたモチーフとか、もったいぶって大きくなるところ、
素っ気ない終わり方など、なかなか魅力的です。
こんな女の子がもし居たとしたら、男の子はいつもドキドキして振り回されてしまって大変かも^^
遊び心がたくさん詰まった一曲です。
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No.34は、「フランス人形」です。
可愛くて、優しくて…そんな夢みたいに甘いイメージが形になった曲です。
短く簡単な曲ですが、手の交差があったり、ペダルを踏むところがあったり、
なにより小さい子に、ゆっくり間をとってなめらかに弾く、というのをしてもらうのは
結構難しかったりします。(個人差がありますが…)
曲のはじめには、Delicately,gracefullyの指示。 子どもたちが持つ天真爛漫な元気さは今はちょっと忘れてもらって、
音の響き、響いてる空間に耳を澄ませてみる。少しの静けさに浸ってみる。
上品なお人形になったつもりで弾いてみる、というのもいいかも知れません。
そういう空気感、雰囲気を、この曲を通して掴んでもらえたらと思っています。
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No.35は、「ソナチネ 第一楽章」です。
ソナチネというのはソナタの小さいものという意味で、
ソナタとは概ねソナタ形式で書かれた第一楽章をもつ複数楽章の器楽曲のこと。
ここの説明だけでも今まで紹介した曲と違い、ちょっととっつきにくい印象があると思います。
魅力的な題名がついているわけでもなく、2部形式や3部形式に比べたら展開が複雑なこともあって、
面白さを知る前に「これは別にいいや」ってなってしまったりする人もいるのかも。
でもそんなソナチネも、ギロックにかかれば色彩豊かで素敵な曲に変わります。
めくるめくファンタジーの世界。広がっていく音の冒険が、目に見えるよう。
定番のクーラウやクレメンティのソナチネもいいけれど、
初めてのソナチネはギロックでもいいかも知れません^^