前回に引き続き、邦人作曲家シリーズ。まだまだ素敵な作品はたくさんあります。
今回も5曲ご紹介します。それではどうぞ^^
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No.41は、「そよ風にふかれて」。名田綾子さんの作曲です。
シンプルで短い曲ですが、なんというか、来てほしいところにきてくれる曲で、
こうでしかないというか、これ以外に足しも引きもできないような、完成度が半端なく高い曲です。 (そう感じるのは私だけ…?)
もし私が書いたとしても多分こうするだろうというくらい、曲の進行に共感します。
そして皆そう思っているのかどうかはわかりませんが、小学生にも人気が高いです。
(今度聞いてみよう)
素敵で、難しそうに聴こえますが、両手一緒に動くところが少ないので、割と弾きやすいのも
この曲のいいところ。気に入ったら是非チャレンジしてもらいたいです。
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No.42は、「星降る町の小さな風景」より、「雪の夜」。轟千尋さんの作曲です。
この曲集は、全体的に「響き」というものをとても大事にして作られていると感じます。 以前取り上げた「そよ吹く風」という曲(第1曲目で取り上げました)もそうですが、
ひとつひとつの音が作り出す響きを大事にすることで、少ない音でも奥行きのある世界を
作り出していると思うのです。
皆さんには、この曲の響きがどんな風景に聴こえるでしょうか?是非ご一聴ください^^
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No.43は、木下大輔さんの作曲で、「雪夜」です。
上の轟さんの「雪の夜」は、雪の中を歩いているとか、乗り物に乗って進んでいる感じがします。
対して今回の木下さんの「雪夜」は、雪の中に居るというよりは建物の中にいて、窓の外の雪を
見ているようなイメージが浮かびます。そして少し神聖な空気、祈りに似た感覚を覚えます。
2つの曲、雰囲気は全く違いますが、どちらも「雪の夜だなぁ」と感じるのは面白いです。
私たちはどのあたりから「雪」を感じているのでしょうか?^^
どうぞお聴きください。
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No.44は、「波の光」。作曲は大野愛さんです。
緩やかなメロディー、左手の和音の開けた響き、
どこにも淀みや緊張のない、まさに打ち寄せる波のような音楽です。
中間部の右手が細かくなるところは、水面にキラキラと反射する光のよう。
技術的には、色々なテクニックが必要になるので、ちょっと難しいです。
ブルクミュラー終了程度の子なら、無理せず取り組めるかな。
ちょっとピアノが狂ってきていて、聞き苦しいところがあります。すみません。
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邦人作曲家シリーズ、とりあえず今回で一区切りです。
最後のNo.45は、木下大輔さん作曲「イワトビペンギン」をご紹介します。
タッターッタ、タッターッタのシンコペーションのリズムが心地いい、とても楽しく可愛い曲です。
イワトビペンギンが、やんちゃな黄色いトサカで飛んだり跳ねたりする様子が思い浮かびます。
途中盛り上がってリズムが変わる部分があるのですが、
(右手が16分音符でタラララタラララとなるところ)ここ、個人的にとても好きです。
弾いていて景色が開ける感じがするというか、今まで飛んだり跳ねたりしてたのが、
氷を滑ってるような、空を飛んでるような開放感に包まれます。楽しい。
木下大輔さんの曲を取り上げるのはこれで3曲目ですが、実は以前アップした演奏を、
作曲した木下さんご本人が聴いてくださっていて、なんと直々にお手紙と楽譜を
いただいてしまったのでした。恐縮です!そして有難うございます!!感謝です。
仕事に空きがあるときに練習して、録音して、youtubeに上げて、紹介文を書いて…という
非常に地味で日の当たらない作業ですが、見てくれてる人もいるのか!と嬉しいサプライズでした。
ちなみにこの曲はその楽譜、「こだま号で行こう!増補版」に収録されています。
(以前アップした「ウィーンの夜」「雪夜」も同楽譜にあります。)
子どもから大人まで楽しめる素敵な曲がたくさん入っていますので、
ご興味ある方は是非お手にとって見てください^^